発達保障
発達保障とは
本園の教育・保育は何を実現しようとしているのでしょうか
それは建学の理念で掲げられている「発達保障」という概念である。この発達という視点についての考えを明らかにすることがここでは大切である。
「子どもの権利とは何か」「子どもたちの未来の幸せとは何か」「子どもたちの豊かな発達とは何か」これらの命題に応えることが私たちの使命であると考えている。
私たちに課せられた命題は「子どもたちの限りない発達を求めること、別の言い方をすると子どもたちの可能性を求めることである。
発達保障での発達には2つの視点で捉えることが必要である。通常「発達」とは人間が質的に新しい能力を獲得することである。
「ハイハイしていた子が上手に歩行できるようになった」「おむつをしていた子が自分でトイレに行けるようになった」「話す言葉が増えてきた」「絵本が読めるようになった」など子どもの「発達」を身近に感じることがある。
本園は発達保障を考える時の「発達」はより高度な能力を獲得していくことを一般的に「タテへの発達」と呼ぶとしたら「ヨコへの発達」があると考える。
より難しいことが出来るようになるだけでなく、多様な能力を身に付けたり発揮できる場面が広がったり生活に幅が出てくることも「ヨコの発達」という視点で見ることを主張する。その視点が「タテの発達」と「ヨコの発達」という概念の捉え方である。
新教育要領には幼児教育において育みたい資質・能力とは何か、また幼児期の終わりまでに育ってほしい姿、「10の姿」をねらいととしている。
ここでは「学びに向かう力」は難しいことにも挑戦する、粘り強くやり遂げるようとする、友達と協力しながら頑張るというような力をこれを「非認知能力」と呼んでいるが、これ等の知的な能力を「タテの発達」とすれば非認知能力は「ヨコの発達」と捉えることが出来る。
気持ちが育つ、価値意識が深まるなど人格が豊かになっていくことも「ヨコの発達」と考え、認知能力(タテの発達能力)、非認知能力(ヨコの発達能力)の獲得と人格の形成とを統一的に捉える発達観を提起する。発達保障が目指す「発達」は生活・人生の豊かさと結び合わせた「発達」である。
乳幼児から大人まで、障がいのある人、ない人、高齢者問わず、すべての人の発達可能性を主張し、その目指す取り組みが発達保障なのである。